店舗経営をするうえで「経営」の定義は、経営者としての必要な業務を整理するのに重要です。
特に、意味を混同しがちとなる「運営」との違いを確認することで、経営業務の目的や内容がより明確できます。
それぞれの目的と主な業務を解説します。
経営のビジョンが大切
店舗経営をするうえで、常に経営に重きを置いて事業を展開していきましょう。
運営は、経営というお店のビジョンを叶えるための手段です。
例えば接骨院の開業にあたり、「施術を通して地域の多くの人を笑顔で健康にしたい」というビジョンがあるとします。
明確な経営のビジョンがあれば、まずは経営を軌道に乗せ、徐々に多店舗展開し、経営者自身は徐々に現場から離れ、複数店舗の経営管理に業務シフトしていく、という運営の流れも定まりやすくなるでしょう。
店舗経営と店舗運営|目的の違い
英語で「経営」を表す「management」は「管理」と言い換えられるように、経営は目的を達成するための意思決定を重ね、店舗事業を管理・遂行させることを指します。
一方で「運営」とは経営者が定めた事業の方向性をもとに、実際に事業を運転・遂行することです。「運営」を意味する「operation」には「運転」「操縦」という意味もあります。
このように、店舗の「経営」と「運営」では意味が異なり、目的も同じではありません。
運営を他のスタッフに任せる際にも、依頼すべき内容を整理しやすくなるでしょう。
経営と運営の目的の違いを押さえ、業務内容の整理にお役立てください。
経営の目的は「収益化」
「店舗経営」の目的は、「店舗事業でなるべく多くの収益を得ること」です。
「事業」の定義は「生産や営利などを得るために、組織や会社、お店を経営すること」。
つまり「事業」は「収益を目的とした活動」です。その内容は経営によって定められます。
運営の目的は「効率化」
店舗運営は、「収益化」という経営の目的を達成させるための手段です。
より多くの収益を得るには、スムーズなオペレーションといった効率的な店舗運営が欠かせません。
そのため、「組織の機能を効率的に発揮させること」が「店舗運営」の目的になります。
店舗経営と店舗運営|業務内容の違い
経営と運営は目的が違うので、それぞれの達成に向けた業務内容も異なります。
ただ、運営での気づきが経営方針に影響するなど、互いに相関するものです。
特に経営者と運営者が異なる場合は、経営者も現場の状況を正確に把握することが効果的な売上戦略に繋がります。
業務内容の違いを押さえたうえで、異なる2つの業務が連携するからこそ店舗事業が成り立つということを意識しておきましょう。
「経営」は収益を得るための体制を作る
店舗経営者は、人やモノ、資金を活用して収益を最大化させる運営体制を考えます。
そしてその目的は顧客の満足度向上が大きな柱。収益の最大化には、お客さんの満足度を得ることが欠かせません。
ニーズの変化にいち早く対応するべく、常に市場動向をチェックしながら、組織構造に加えて事業内容や商品を柔軟に検討し続けていきましょう。
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「運営」は決まった体制のもとで効率よく動かす
店舗運営では、経営業務で既に決まっている立地や店舗内装、商品、従業員といった環境の条件で円滑に事業を営む方法を考え、実行します。経営業務で掲げたビジョンに沿って、常に「経営を支える」運営基盤を整えましょう。
既に決められた体制とはいえ、時に主体的な判断が必要になることも。
例えば売れ行きに応じてラインナップの変更をするなど、運営での気づきが経営時の判断にも大きく影響します。
特に経営者と運営者が異なる際、経営者は現場で起きた問題点や気づきを運営者がすぐに報告できる環境作りを意識することも大切です。
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経営の定義を確認して店舗業務の目的を整理しよう
さきほども触れた通り経営業務での目的は、店舗で「最大限の収益を生む」ことです。
目的の達成に向けて、市場の動向やお客さんのニーズも踏まえながら最適な運営体制を柔軟に検討していきましょう。
開業時はオーナー様が経営と運営を両方担当する予定でも、のちに他のスタッフが運営に関わるようになることも。
その際オーナー様自身が経営と運営の定義を区別していれば、経営者・運営者としてそれぞれ行なう業務を整理しやすくなります。
当社は店舗運営が円滑にできるような店舗デザインをご提案しています。この際にオーナー様より、経営計画も含めてご相談いただくことも少なくありません。
お店を訪れるお客様が満足し、収益にも結びついていくような店舗づくりをサポートさせていただきます。