テイクアウトやデリバリーの普及で、店内のイートインスペースは最小限に狭小物件で飲食店を開業することも決して珍しいことではなくなりました。
狭小物件であれば、家賃や光熱費、人件費を抑えられるメリットがなによりも大きいです。一方で、「窮屈さ」を感じてしまうのがネック。そこで、設計やインテリアを工夫して軽減することが好印象のポイントです。
狭小物件で人気店を作るための店舗デザインのポイントをご紹介します。
店舗デザインのポイント
スペースが限られていますが、工夫次第で窮屈な印象を軽減させ、ゆとりある空間にすることができます。
特に、お店の顔となるファサード、インテリア、そして作業の中心となるキッチンにこだわることが大切です。以下のポイントをそれぞれ確認しましょう。
ファサード
小さい店舗は通りに面していても大きな店舗に比べるとわかりづらいため、ファサードでしっかりお店の存在をアピールしましょう。少ない面積でも、「どんなメニューを売っているのか」「いつ営業しているのか」など、お店のコンセプトが明確に伝えるのがポイントです。
特に、外から店内の様子が見えるようにドアの一部をガラス張りにしたり、夜でもお店の存在がわかるよう入口周りに電灯を設置したりと、周囲に開けた印象のあるデザインがおすすめです。
インテリア
①明るい色で開放的に
白い壁など、明度の高い色を中心的に使うことで開放的な空間になります。
また、黒や茶色の壁紙で照明も敢えて暗くし、隠れ家のような雰囲気を演出する方法も。お店のコンセプトに合わせて、物件の活かし方を考えていきましょう。
②視覚的な広さを演出
ガラスのテーブルや小物で店内に透け感を取り入れることで家具による圧迫感を和らげ、視覚的に広く感じさせることができます。
また、場所によって天井の高さに差を出すこともテクニックのひとつです。他よりも天井が高くなっている部分で、広さや開放感を演出できます。
キッチン
①オープンキッチンがおすすめ
お客さんからもキッチンの様子が見えるようにすることで、店内に奥行きが生まれ、開放感を演出できます。
キッチンの目の前にカウンターや受取口があれば、キッチンから料理をすぐに提供できるのもメリットのひとつです。
お店の面積におけるキッチンスペースの割合については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
カフェを開業したい!広さや座席、レイアウトは?店舗デザインに必要な知識>>
②食材や調理器具は手が届きやすい、単純な配置に
回転率が重要な飲食店。従業員の数が少なくなる狭小店舗では、キッチンの作業効率を最優先した導線設計が特に大切です。従業員全員が少ない移動で作業できるよう、食材や調理器具はわかりやすい場所に収納しましょう。
狭小店舗の開業・運転資金相場
狭小店舗では、家賃や物件取得費、保証金が安く抑えられるため、開業・運転資金は広い店舗に比べてかなり低くなります。
10坪前後の飲食店の場合、最低限必要な開業・運転資金は500~600万円です。ただし、物件の状態や業態、立地でも差があります。物件ごとの資金の相場は以下の通りです。
- 居抜き物件:約600万円
- スケルトン物件:約1,200万円
※いずれも10坪前後
このように、居抜き物件とスケルトン物件で初期費用の目安に大きな差があります。
一般的な広さの店舗となる30坪前後の開業資金は高くて2,000万円程かかることもあるため、スケルトン物件であっても比較的安いといえますが、予算を鑑みて資金配分を検討しましょう。
狭小物件でも人気店は作れる
特に10坪前後の飲食店を開業するには、キッチンやインテリア、ファサードなどで、狭小物件ならではの工夫が求められます。また、店内はどうしても手狭となるためオリジナリティや差別化という面で壁を感じてしまいやすいかもしれません。
しかし、人気店を作るうえで本当に大切なのは、具体的な「コンセプト」。オーナー様の明確な理想の店舗像と熱い想いがあれば、10坪でも十分にそれを実現することができます。当社は、そういった想いを具体化し店内に巡らせることを大切にしています。
コリドールでは物件探しも承っています。「新しい飲食店を開業したいけれど、良い物件が見つからない」という方も、「小さな物件を見つけたけれど、これで開業できるのか不安」という方も、お気軽にご相談ください。