店舗設計を考える際、レイアウトはお店の入りやすさ・商品の買いやすさを左右する重要なポイントです。お客様の動線を踏まえた内装にすることで、売上アップもねらえるでしょう。ここでは、雑貨店やアパレルショップなど、売り場のレイアウトのコツについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
店舗設計でレイアウトを考えるときに意識したいポイント
売り場のレイアウトを決める際に重視したいのが、「お客様の動線」(お客様が店舗内を移動するときの道筋)です。特に、以下の2点を意識しましょう。
- 動線を適度に長くしてお客様の滞在時間を伸ばす
- 動線上の「売れるスポット」に適した商品を配置する
お客様の滞在時間を長くする
基本的に、入店してから帰るまでの滞在時間や歩行距離が長いほど、売上アップにつながるとされています。目的の商品を手に取って、レジへ行くまでにいろいろな商品やPOPを目にすることで、予定していた以外の買い物が増え、客単価が上がりやすいためです。滞在時間を伸ばし、商品やサービスを見てもらう機会を増やすレイアウトを心がけましょう。
ただし、動線を長く、複雑にしすぎてしまうのはNGです。店舗内が移動しやすく、どこに何の商品が置いてあるかがわかりやすい形にしなければなりません。
適切なレイアウト決めの具体的なポイントは、以下のとおりです。
- 入り口から真直ぐ奥まで主通路を通し、奥の壁沿いを進ませる逆L字型レイアウト
最短距離で動線をつくると、お客様は目当ての商品だけを購入して買い物を終えてしまいます。棚やワゴンなどをうまく使って売り場の奥へお客様を誘導し、動線を長くしましょう。
- 通路の幅は広くとる
行き来しづらい狭い通路からは、自然と足が遠のいてしまうものです。お客様が商品に触れる機会を奪ってしまいかねないため、通路の幅は余裕を持って確保しましょう。ゆとりをもってすれ違うことができ、ベビーカーや車いすでも通りやすい幅(最低でも80cm、できれば1m以上)が理想です。
- 什器の高さやサイズを工夫する
お客様に奥まで足を運んでもらうには、飽きさせず、目を惹く什器のレイアウトが欠かせません。商品を手に取りやすく、また死角をつくらない高さ・サイズの什器を選び、適切に配置しましょう。
店舗内の「売れるスポット」を活用する
お店のなかで、商品が売れやすいスポットはある程度決まっています。そのスポットをお客様の動線に含め、適切な商品を配置することが大切です。
一般的な「売れるスポット」には、以下の3箇所があります。
- 入り口からすぐ
最初に目にする部分のため、商品がお客様の印象に残りやすいです。興味を持ってもらえれば、来店中に再度手に取ってもらえることも。強いインパクトを与え、関心を惹きやすい商品を配置しましょう。
- レジ前
お会計待ちのタイミングで目に入りやすい場所です。コンビニなら季節のお菓子、靴屋なら消臭スプレーなど、「ついで買い」を誘える、低価格の商品を置くとよいでしょう。
- 店舗の奥のエンド(通路沿いの棚)
エンドでは、お客様の歩くスピードが遅くなる傾向があります。おすすめ商品など、特に売りたいものを配置することでじっくり見てもらえるでしょう。
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ジャンル別!取り入れたい店舗レイアウトとは
売り場レイアウトのポイントは、商品の見やすさと手に取りやすさです。取り扱う商品やコンセプトによって、最適なレイアウトは異なりますが、業種ごとにおおまかな傾向は決まっています。売上アップにつながる店舗レイアウトのコツを、お店のジャンル別にまとめました。
雑貨屋などの小売店
雑貨屋のようにこまごまとした品物が多いお店の場合、商品のサイズがバラバラで数も多いため、見やすい配置を重視します。ジャンルごとに区画で分け、目を惹きたい場所には、注目商品や使い方などをPOPで取り上げましょう。
また、ディスプレイにおすすめ商品を並べる位置は、「ゴールデンライン(お客様の視点の高さ)」に合わせるのがポイント。ゴールデンラインは、もっとも商品が見やすく、手に取りやすい高さのスペースです。売上の多くはこのスペースから生まれています。
一般的には床上60cm~160cmの間とされていますが、身長によって違いがります。客層に女性が多い場合は少し低めに、男性が多い場合は高めに配置するといいでしょう。
アパレルショップ
商品の大きさが限られるアパレルショップでは、お客様が探していた商品に加えて、いかに他の商品を手に取ってもらえるかが重要です。とくに、以下のような点を意識して店舗設計を考えましょう。
- 入口には、季節の商品やトレンドアイテムを着たマネキンを置く
入口付近のディスプレイは、外からの見え方も意識する必要があります。季節商品やトレンドアイテムを着たマネキンを置くことで、入店を促しましょう。
- 店舗全体を1周できるようなレイアウトにする
お店のすみずみまで見てもらえるようお客様の動線を長くすることは、どんなお店でも大切です。互い違いの配置で歩く距離を伸ばす、店の奥の高いところに注目商品を配置するなど、自然と店の奥へとお客様を誘導する仕掛けを盛り込みましょう。
- 試着室や姿見など、じっくり検討するためのスペースをつくる
アパレルショップの店舗デザインに特徴的なのが試着室です。商品を手に取って試着できるという実店舗の強みを活かし、お客様がゆっくり検討できるよう工夫しましょう。
スペースが狭くて試着室の数が限られてしまう場合は、店内の姿見の数を増やすことで、試着したときのイメージがしやすくなります。
アパレルショップの店舗デザインについて、詳しく知りたい方はコチラ>>
売上につながる店舗設計を
店舗設計は、お店の印象を左右するだけでなく、売上にも大きく影響します。レイアウトによって立ち寄りやすさ・買いやすさが変わるため、お客様がどう動くかを具体的に考えることが大切です。
コリドールでは、オーナー様のご要望にお応えすることはもちろん、「お客様がお店に来店されたときにどのような印象を受けるのか」まで考慮した店舗設計を行っております。オーナー様とのコミュケーションを大切に、理想のお店を創りあげていきます。
店舗開業が初めての方からのご相談も多くお受けしておりますので、店舗設計をどのように考えたらいいのか、店舗レイアウトやデザインについてお悩みの方はお気軽にご相談ください。