ノベルティは店舗の販促活動のひとつです。実用性や季節柄を踏まえ、ターゲットが「使ってみたい」と思えるノベルティを選ぶことがポイント。長期的な宣伝効果を生むノベルティのコツや配布前後の注意点も解説します。
ノベルティを作る目的とは?
ノベルティを作る目的は、店舗のサービスや商品をターゲットに認知してもらうことです。チラシなどの広告物ではなく、実用的な「モノ」を配ることでターゲットの興味や関心を集めやすくなります。
また、ノベルティは販促ツールのほか、ビジネスの場でもお店の認知に効果的です。経営者が集まるイベントや展示会に配布すれば後々の営業活動を広げるきっかけにもなるでしょう。
ノベルティと似たものに「販促品」がありますが、こちらはお店の認知を目的としている点は同じでも、不特定多数の消費者を対象にしているのがノベルティとの違いです。例えば、街頭で配布されるポケットティッシュやうちわなどが当てはまります。
ノベルティグッズを配布する効果・メリット
お店の周知のほか、ノベルティグッズを配布する効果はさまざまです。お店の広告手段としてノベルティを活用するメリットをご紹介します。
低コストで広告宣伝
紙のチラシならすぐに捨てられてしまうことがあっても、実際にモノとして使えるノベルティならその分長期的な宣伝ができます。広告物の中でも比較的低コストで製作できるので、限られたマーケティング予算でも、アイデア次第でコストパフォーマンスの高い販促活動が可能です。
企業の認知度向上・ブランディング効果
主婦向けなら家事や掃除に便利なグッズなど、ターゲットに沿ったグッズでお店の信頼性もアップします。認知度向上には、必ず店名やロゴマークをグッズに入れましょう。使うたびにお店のことを思い出しやすくなり、後々ふとした場面でお店を選んでもらうきっかけにもなります。
今日は行ったことのないレストランに行ってみよう、今度は別の美容院に行ってみよう。そんな時、全く関わりのなかったお店よりも、「以前ノベルティをもらった」という体験があるお店の方が足を運びやすくなるからです。たとえば、お店で地ビールを提供している場合にはオリジナルのタンブラーを使うことで、お酒好きの方に覚えてもらえやすくなるなど、お店の特性に合わせてノベルティを考えましょう。
消費者の購買意欲向上
ノベルティは、ターゲットがお店に訪れたり商品を購入したりするきっかけにもなり、それ自体が実際の売上アップにも効果的です。
例えばノベルティを提供する条件に「○○円以上お買い上げ」と設定すれば、消費者には「せっかくならノベルティグッズがほしい」「ノベルティがつくなら買ってみよう」という心理がはたらきます。ノベルティは、ターゲットとなる消費者の購買意欲向上を促すのです。
また、開業のタイミングに合わせることでクチコミを生みやすくしたり、話題を作ったりする効果も期待できます。トートバッグやバッジなど、顧客が外で気軽に使えるものを選択すれば、「歩く広告」として貢献してくれるかもしれません。
効果が期待できるノベルティグッズ
ノベルティの宣伝効果は、一様ではありません。ターゲットやお店のイメージに加えて季節や時事に合ったものを選ぶと、いっそう大きく、かつ長期的な効果が期待できます。
実用的なもの
ボールペンやふせん、カレンダー、クリアファイル、エコバッグといった文房具など、実用的なノベルティなら、使われる頻度も多くなります。業種に関係なくおすすめはカレンダーです。一年中目につく場所に飾られるので、お店の名前を認知してもらいやすくなるでしょう。
以前施工を担当した飲食店の中には、ポイントを貯めるともらえるノベルティを配布し、ノベルティを身に着けたお客さんの写真を撮ってお店のSNSにアップするといった事例もあります。ノベルティとSNSという異なる販促ツールを繋げた、ユニークな活用例です。
季節性のもの
季節に合わせて「ほしい」と思ってもらえるようなグッズを選びましょう。例えば夏はうちわ、冬はカイロと、その時期だからこそ需要のあるグッズを配る方が受け取ってもらいやすくなります。
感染予防になるもの
時世を踏まえ、マスクや除菌グッズなど、感染症対策になるものも受け取ってもらいやすい傾向です。「感染症対策をきちんと行なっているお店」と印象づけられるので、衛生面でのイメージアップにも繋がります。
また、花粉症のシーズンにも効果的。顔に身につけるもののためあまり派手なものは好みが別れてしまうかもしれませんが、ロゴがシンプルな場合にはうまく活用することで、販促効果も見込めそうです。
ノベルティを配布するときの注意点
ノベルティの配布には、注意点もあります。配布した分に見合った適切な宣伝効果を得るためにも、ぜひ確認してください。
法律を遵守する
ノベルティ配布には、法律で定められたルールもあります。お店のクリーンなイメージを保つため、しっかりと守ることが大切です。
過度に豪華なノベルティにつられて必要のない商品を買うことは、消費者にとって不利益になります。それを防ぐため、ノベルティにかける最高額を定めているのが「不当景品類及び不当表示防止法」、通称「景表法」です。
景表法では、ノベルティは「景品」と分類され、さらに配布方法によって3種類に分けられます。
- 総付景品:懸賞せず、対象者全員に配布
- 一般懸賞:抽選を行ない、当選者のみに配布
- 共同懸賞:複数の事業者と共同で懸賞を行ない、当選者のみに配布
ショッピングモールや商店街で他のお店と一緒に行う懸賞は「共同懸賞」の一例です。
また、ノベルティの上限額は上の種類ごとに異なり、1、2、3の順に上限が高くなります。例えば総付景品では、1000円以上の商品につくノベルティの上限額は商品価格の2割です。その他、景表法の詳細は以下のサイトをご参照ください。
ノベルティは、あくまで商品やサービスに付随する「景品」です。希少性が高まれば販促効果があるので、原則販売はされません。
ただし、人気のノベルティにはターゲットから商品化の要望が来ることもあります。販売したい際には、必ずグッズに「家庭用品品質表示法」に従った「家庭用用品表示」を付けましょう。
「家庭用用品表示」は、家庭用品の品質を表示して消費者の利益を守るため、すべての商品に記載されています。本来非売品であるノベルティには表示の義務はありませんが、販売するときには記載が必要です。
配布後は効果測定をする
配布後は、ノベルティによって得られた宣伝効果を必ず確認しましょう。実際に配った数をもとに、新規顧客の獲得数や利益の増減を分析します。ターゲットの反応をより詳細に把握するため、配布したノベルティの数に加えて集計したいのは次の2つです。
- クーポンの利用者数
- サイトやSNSへのアクセス数
ノベルティにクーポンをつけると、配布後に利用されたクーポンの数で「お店に興味をもって実際に足を運んでくれた人」の数を知ることができます。
また、ノベルティにはお店のサイトやSNSのQRコードを印字しておくのもポイントです。配布前後のアクセス数を比較すれば、「お店をもっと知りたいと思ってサイトを覗いてくれた人」の数を推測できます。
ノベルティを効果的に配布しよう
ノベルティの配布は、お店のターゲットの関心を集め、新規顧客の獲得やお店のイメージアップに繋げる販促活動です。ターゲットの特性に加え、実用性や季節性も踏まえてグッズを選べば、他の販促物よりも低コストで大きな宣伝効果が期待できます。
すぐには利益に直結しない数でも、ノベルティによって「お店に興味をもってもらえたか」を必ず確認しましょう。ターゲットの関心をより詳細に掴むと、その後再度ノベルティを配布するときの参考になるほか、サービスや店舗デザインなどの方向性を決めるヒントにもなります。
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