人気店になる飲食店の共通点。店舗デザインより大切な“準備”とは?
「おしゃれなお店を作れば、自然とお客さんが集まる」——そう信じて開業準備を進める方は、決して少なくありません。
しかし、実際の現場を見ていると、見た目の良さや話題性だけでは長く愛されるお店にはなりません。特に飲食業界では、数ヶ月で閉店してしまうケースも珍しくないのが現実です。
私たちはこれまで数多くの飲食店の開業・リニューアルに関わってきました。その中で見えてきたのは、「人気店」には必ずといっていいほど共通する“準備”があるということです。
このコラムでは、単なるデザイン提案ではなく、「黒字経営を目指す店舗づくり」のために、開業前にこそ考えておきたいポイントをご紹介します。
コンセプト設計の深さが、開業後の集客を左右する
「なんとなくカフェを開きたい」「居抜き物件が安かったから焼肉屋に」——こんなスタートをする方もいますが、コンセプトが曖昧なままでは、設計・内装・集客すべてに一貫性がなくなります。
逆に、人気店には共通して“誰のための空間か”が明確です。
「20〜30代の女性が一人でふらっと立ち寄れる、小さな幸福を感じるカフェ」
「サラリーマンが仕事帰りに気軽に寄れる、家庭的な味と落ち着く空間の居酒屋」
——このように、具体的なターゲットとその気持ち・生活シーンまで想像されているのです。
私たちは、空間デザインを始める前に、必ずオーナー様と一緒に「誰に、どんな価値を届けたいのか?」を整理するところからスタートします。
これは内装費の節約や、集客後のリピーター率にも直結する、非常に大切なプロセスです。
店舗デザインは、“見せ方”と“稼ぎ方”のバランスで考える
内装デザインといえば、「おしゃれに見せたい」「写真映えする空間を作りたい」といったご要望が多いですが、本当に大切なのは「そのデザインが収益に繋がるか」という視点です。
たとえば、席数と回転率が収益の軸になる飲食店であれば、客導線と配席の工夫によって1日あたりの売上が大きく変わります。
逆に、単価の高いリラクゼーションサロンでは、「滞在の心地よさ」や「周囲の視線が気にならない設計」が満足度に直結し、リピート率を左右します。
また、最近ではデリバリーやテイクアウト対応も重要な要素です。注文用の受け取りスペースや、厨房のレイアウトを工夫するだけで、新しい収益源が生まれることもあります。
私たちの考える店舗デザインとは、単なる“内装の演出”ではなく、「事業として黒字化するための仕組み設計」でもあるのです。
オープン後を見越した“ファンづくりの導線設計”
「いいお店を作ったのに、お客様が来ない」——これは意外と多い悩みです。
実際に現場を見ていると、内装や料理のクオリティは高いのに、「集客導線」が整っていないために集客につながっていないケースもよくあります。
つまり、「どうやってお客様に知ってもらい、初回来店につなげ、リピーターになってもらうか」という設計も、店舗デザインと同じくらい重要なのです。
たとえば:
– 店頭からの印象を高める看板やメニューの見せ方
– SNSとの親和性が高い撮影スポットの設計
– LINE登録やショップカードなどのリピート導線
– クチコミが広がりやすい「ちょっとした驚き」ポイントの設置
これらも、空間の設計や導線と密接に関わっています。デザインとは「空間」ではなく「体験」を設計すること。私たちは、その視点での提案も常に大切にしています。
成功しているお店は、“作る前”にしっかり考えている
「内装が完成した=準備完了」ではありません。
本当に大切なのは、その空間で“どんな人に、どんな体験を届け、どう利益を出していくか”をオープン前から逆算して考えることです。
人気店のオーナー様は、必ずそのプロセスを丁寧に踏んでいます。
そして、その過程にこそ、私たちデザイン会社がご一緒できる価値があると考えています。
最後に:私たちの役割は「作ること」だけではありません
私たちは、ただ店舗を“おしゃれに仕上げる”ために存在しているわけではありません。
本当にお手伝いしたいのは、そのお店が「黒字で続いていくこと」「お客様に選ばれ続けること」です。
そのために、内装デザインだけでなく、開業前の設計段階・導線設計・集客施策・さらにはオープン後の改善提案まで、必要に応じて幅広くご提案しています。
開業をご検討中の方、リニューアルでお悩みの方、まずは一度、お話をお聞かせください。
「どう作るか」だけでなく、「どう成功させるか」を一緒に考えていけたらと思います。