はじめに
「せっかく素敵なお店を作ったのに、思ったほど利益が出ない」
「キッチンもホールも常にバタバタしていて、スタッフが疲弊している」
そんな声を、私たちはたびたび耳にします。
そしてその多くが、“レイアウト設計の段階”で見直せるポイントだったことに気づかされます。
店舗デザインは見た目がすべてではありません。
人とお金がスムーズに“回る”ための構造設計こそが、黒字経営に繋がる鍵なのです。
今回は、「黒字化」を目指すうえで必ず押さえておきたい店舗レイアウトの視点を3つご紹介します。
1. 「お客様の動き」は売上に直結する
店舗のレイアウトを考える際、意外と後回しにされがちなのが“お客様の動き”。
ですが、お客様がどのように入店し、注文し、食事し、退店するかという導線は、売上効率に直結する重要な要素です。
以下のような例をご覧ください:
– 入り口が狭くて、ピーク時に入店待ちが詰まってしまう
– トイレまでの動線が他のお客様の席にぶつかってしまう
– 会計スペースが目立たず、レジ前で迷う人が多い
こういった“小さなストレス”は、回転率の低下や滞在満足度の低下につながります。
「人が自然に動ける道筋=ストレスのない売上導線」を意識することが第一歩です。
2. 「スタッフの動き」がコストと連動する
スタッフの動きやすさは、業務効率=人件費効率に大きな影響を与えます。
「おしゃれ」だけを優先して作った厨房やホールが、現場では“動きにくい”という事態、実はよくあるのです。
例えば:
– 配膳動線が長く、1皿の提供に何往復も必要になる
– キッチン内が狭すぎて、複数人で作業できず調理が滞る
– ドリンクコーナーが遠く、ドリンク提供に時間がかかる
効率的な導線を持つレイアウトは、同じ人数でも提供スピードが上がり、お客様の満足度と回転率が同時にアップします。
3. 売上最大化のための「座席戦略」
座席数を“なんとなく並べている”お店も少なくありません。
しかし、座席配置こそが売上上限を決める非常に重要な要素です。
以下のようなポイントを考慮することで、“今ある面積での最大化”が可能になります:
– ペア席を多めに設けて「2人組」への最適化
– テーブル配置を可変式にして「団体〜少人数」に対応
– 回転率が高いランチ時間帯は「滞在時間が短い席位置」配置(入口付近など)
また、一部の席に“あえて余白”をつくることで、居心地と回転のバランスを取る工夫も有効です。
おわりに
飲食店にとって、利益を生む設計とは、「かっこいい空間」ではなく、
お客様もスタッフも“自然に動ける空間”であること。
少しのレイアウト改善で、
– オペレーションがスムーズになり
– 売上効率が上がり
– 人の疲れも減って
– 結果としてお店全体の“空気”が明るくなる
そんな店舗を一緒につくるお手伝いができれば幸いです。
レイアウトでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。