スケルトンとも呼ばれる、コンクリートがむき出しになった内装。ここへ壁紙や床材などをつけいき店舗をつくりあげていくのが、店舗内装の一般的な施工ですが、あえてこのまま店舗内装として活用することもあります。壁や天井がコンクリートになるだけで店内が一気に洗練された雰囲気になり、ヴィンテージ感も演出できます。
ただし、機能面でのデメリットも。メリットとデメリットの両方を確認し、作りたいお店にコンクリート打ちっ放しが適しているか、検討してみましょう。
また、おしゃれに仕上げるポイントもご紹介。既に吟味したうえでコンクリートの内装にしたいという方も、迷い中の方も、ぜひ参考にしてください。
コンクリート打ちっぱなしのメリット
シンプルで無機質な印象のコンクリート打ちっぱなし。おしゃれなだけでなく、機能面でもメリットがあります。
どのテイストにもマッチしやすい
コンクリートのグレー1色の壁や天井は、それだけで空間に統一感が生まれます。
そして、その無機質なグレーはどんなテイストとも相性が良いです。そのため加えるインテリア次第で、ヴィンテージやナチュラル、ラグジュアリーなど、様々なテイストの空間を演出できます。特に相性が良いのは、ヴィンテージです。コンクリート自体も使えば使うほど味が出る素材なので、年季の入ったヴィンテージ家具とも絶妙にマッチします。
また、コンクリートはお好みに合わせて自由にアレンジしやすい素材です。壁や天井がコンクリートのグレーだけでは物足りないという方は、内装のテイストに合わせて天井を白や黒で塗装するのもよいでしょう。
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柱が不要な分、広くなる
内装以前に、コンクリート打ちっぱなしの建物は壁が頑丈なコンクリートでできているので、建物を支える柱が最小限であることがほとんどです。その分広くなるので、空間を確保できます。インテリアを置きやすくなるなど、店舗づくりの幅が広がるのも魅力でしょう。
優れた耐火性
コンクリートは、火に強い素材です。火災時の炎は1000度まで上がるのに対し、コンクリートの躯体(構造体)は1000度の炎も2時間耐えられ、強度も低下しないと考えられています。
その耐火性から、コンクリート打ちっぱなしの物件では火災保険も比較的安価のも隠れた利点です。耐火性が低い木造建築の約3分の1に抑えることができるケースもあります。
維持費を抑えられる
コンクリート打ちっぱなしの内装では、メンテナンス費用を低く抑えることが可能です。加えて丈夫な素材なので、手間や費用を掛けなくてもしっかり長持ちします。
コンクリート打ちっぱなしのデメリット
コンクリート打ちっぱなしの内装は、特に居心地の良さについて工夫が必要です。業務形態や予算配分を踏まえ、内装に採用できるか、改めて検討しましょう。
夏に暑く、冬に寒い
コンクリートは熱伝導率が悪く、結露も発生しやすい特徴があります。そのため冷暖房器具を他の内装材の場合よりも多く使用する可能性があり、光熱費が平均して高めになってしまうのが難点です。
配線・配管が丸見えになってしまう
基本的には、配線や配管がむき出しになっています。逆手にとってこれらを活かした内装も可能なほか、BOXなどを使って目隠しすることもできるので、打ちっぱなしにしたい一方で、美観にこだわりたい方にはおすすめです。
案外コストがかかる
余分なものを取り付けないため、内装費が安価に済むこともありますが、じつはコストがかかってしまうケースも少なくありません。たとえば、コンクリートの表面を滑らかにしたり、形を変えたりしようとすると、加工には技術と時間がかかる分だけ、工期と人件費がかさむのが理由です。
もちろん、シンプルかつスタイリッシュな見た目や堅い質感は、コンクリートならではの魅力でもあります。興味のある方は、お店のコンセプトに合うかどうか、改めて検討してみましょう。
コンクリートの内装をおしゃれに仕上げるポイント
特に塗装をしなければ、グレー単体のコンクリート。無骨な印象になりがちですが、工夫次第で温かみのあるおしゃれな雰囲気に仕上げることもできます。
床のデザインも抜かりなく追求
シンプルなコンクリートの壁面は、床のデザインを引き立たせてくれる効果があります。ぜひ床の色やデザインにもこだわりましょう。
特に木材を使用したキャメルやベージュの床は木のぬくもりを感じられ、コンクリートの冷たさを上手く抑えてくれるのでおすすめです。
暖色系の照明で温かみをプラス
床だけでなく、照明との組み合わせも有効です。コンクリートの室内に暖色系の照明を用いることで、温かみを演出できます。黄色やオレンジの照明は、グレーともマッチ。無機質でもどこか温かみのある空間に仕上がります。照明は、店舗内装の中でもこだわりやコンセプトが色濃くでる部分です。そのほかのポイントについては以下で押さえておきましょう。
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お店のコンセプトに沿って検討しよう
コンクリートの打ちっぱなしの内装には、機能面やコストに関してメリット・デメリットがあります。それぞれ、作りたいお店にとって重視するポイントに合っているか、じっくり検討しましょう。
たとえば、手軽にコンクリートのような雰囲気を得られる施工として、ALCという代替えの素材やコンクリートのプリントが施された壁紙を利用することもできます。機能性の部分でコンクリートに不安がある場合にはこういった選択も良いでしょう。また、部分的に施せるため、アクセントとしても利用可能です。
当社では、素材ごとの特徴やお客様のコンセプトや想いを形に反映することを大切にしています。もちろん、コンクリートを活用した施工も可能。既存の店舗の内装材を変えたいという方も、新しく店舗を開業される方も、お店のコンセプトをもとに、一緒に理想の店舗づくりをしていきましょう。