ホテルの建設費や建築費について、自分たちが目指すホテルのグレードや種類に応じて坪単価の相場を知りたい方もいると思います。
このページでは、店舗・事務所など事業用の建物を専門に内装デザインに取り組んできたコリドールの立場から、ホテルの建設費や建築費の相場をお伝えします。
ホテルの開業を検討中の方はぜひご覧ください。
ホテルの建設費・建築費の相場
ホテルの建築・建設費は、ホテルの事業にかかる費用の中でも大きな割合を占めます。コストを抑えて回収効率を上げるため、何にいくらかかるのか相場を抑えておきましょう。
構造別の坪単価相場
ホテルの建設費用について構造別の坪単価相場を算出しました。
構造 | 建築棟数 | 工事費予定額(万円) | 床面積の合計(㎡) | 1坪あたりの平均工事費(万円) |
木造 | 1,462 | 3,366,777 | 151,793 | 72 |
鉄骨造 | 540 | 21,946,137 | 512,484 | 138 |
鉄筋コンクリート造 | 266 | 18,728,534 | 418,362 | 145 |
コンクリートブロック造 | 10 | 24,130 | 878 | 89 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 8 | 4,927,203 | 89,242 | 181 |
その他 | 88 | 1,329,140 | 27,772 | 155 |
総計 | 2,374 | 50,321,921 | 1,200,531 | 135 |
2022年に着工された宿泊施設の床面積および工事費から坪単価を算出しました。
木造物件は建築棟数が多いですが坪単価は相対的に一番安いです。一方、鉄骨鉄筋コンクリートは棟数こそ少ないものの、1坪あたりの平均工事費が最も高額でした。
参考:国土交通省
ホテル・旅館の種類やグレード別の坪単価相場
ホテルや旅館の種類やグレード別の坪単価相場を紹介します。
ホテルの種類 | 坪単価 |
ラグジュアリーホテル | 250~350万円 |
シティホテル | 150~200万円 |
ビジネスホテル | 100~150万円 |
カプセルホテル | 200~300万円 |
旅館 | 150~250万円 |
特筆すべきポイントはラグジュアリーホテルの費用です。高級感のある内装を実現するために内装工事の比率が高くなったり、セキュリティシステムやAV機器などの設備費用がかかったりします。
カプセルホテルは他のホテルと比べても坪単価が高めですが、カプセルユニットの導入費用が中心です。ただし、事業運営に必要なオペレーションが少なく、坪単価あたりの収益性も高い傾向があります。
都道府県別の坪単価相場
都道府県別のホテルの建築費を見てみましょう。
都道府県 | 坪単価 |
京都府 | 199.8万円 |
千葉県 | 163.9万円 |
鹿児島県 | 161.8万円 |
東京都 | 151.7万円 |
北海道 | 140.2万円 |
大阪府 | 126.3万円 |
山梨県 | 123.3万円 |
沖縄県 | 108.2万円 |
長野県 | 106.9万円 |
富山県 | 106.7万円 |
全国平均 | 141.3万円 |
全国平均の坪単価141.3万円に対し、京都府(199.8万円)、千葉県(163.9万円)、鹿児島県(161.8万円)、東京都(151.7万円)が上回っている状態です。
一方、静岡県(56.1万円)、新潟県(56.9万円)、高知県(58.7万円)はホテルの建築費が安く収まります。
ホテルの建設費用の内訳
ホテルの建設費用の内訳を紹介します。
建築費の内訳 | 建築費に占める割合 |
建築工事(土・杭・躯体) | 15~25% |
建築工事(仕上げ工事) | 30~50% |
設備工事 | 25~35% |
外構工事 | 5~15% |
FFE・OSE | – |
AV機器 | – |
セキュリティ | – |
建築工事(土・杭・躯体)
基礎や地下を作るための地盤に関する工事や基礎工事、建物本体の躯体にかかる費用を指します。ホテルの建築費のうち、15~25%を占めます。
建築工事(内装・外装仕上げ・屋根)
屋根や外装、内装・建具などにかかる費用を指します。ホテルの建築費のうち、30~50%を占めます。
客室数が多いホテルになると仕上げ工事にかかる費用の割合が高くなりがちです。高級志向のホテルでは希少な材料を使って仕上げをするため、高額になると考えておきましょう。
設備工事
照明や防災、給排水、空調換気、エレベーターなど、設備にかかる工事費用を指します。工事費に占める割合は25~35%程度です。
外構工事
敷地内の植栽や駐車場の舗装などにかかる費用です。ホテル・旅館のコンセプトとして景観を重視する場合、外構工事費の割合は高くなります。工事費に占める割合は5~15%程度です。
FFE・OSE
家具・什器、特殊照明、備品などの費用を指します。共用部の施設と客室数の多さに比例します。工事費に占める割合は概ね5%未満です。
AV機器
プロジェクターやスピーカーなどの映像・音響設備、ITにかかる費用を指します。会議室や宴会場の有無、ホテルのグレードにより費用は変わります。工事費に占める割合は概ね5%未満です。
セキュリティ
入退室管理やカードキーシステムなどにかかる費用を指します。ホテルのグレードによって工事金額は変動します。工事費に占める割合は概ね5%未満です。
ホテルの建築費を安く抑える方法
ホテルの建築費を安く抑えるためのポイントをまとめました。
デザインに優先順位をつける
ホテルの建築費や内装費用を抑えるためには、デザインの中でも注力すべきポイントに優先順位をつけましょう。
ランドスケープやホテルの外観、インテリアや照明など、さまざまなデザイナーが関わりますが、すべての提案を実現すると莫大な費用がかかります。
予算の範囲内でホテル経営に最も効果的なポイントを決め、デザインを進めていきましょう。
客室の設備を統一する
建具やユニットはまとめて仕入れたほうがコストを抑えられるため、できる限り客室の設備は統一しましょう。
ホテルを経営するうえでグレードが高いプランを用意したい方もいるかもしれません。しかし、お部屋のサイズや内装のグレードに応じて客室をデザインすると、その分費用がかかります。
例えば、客室のユニットバスはホテルで規格を揃えることで合理的に生産できます。
助成金・補助金を活用する
ホテルの改修工事を検討している場合、助成金や補助金も活用しましょう。
新型コロナウィルス以降、ホテルを含めた観光業を支える助成金や補助金が増えました。すべてを自分たちのキャッシュや融資から捻出するのは費用がかかります。国や自治体からの補助を受けながら取り組めば投資額を回収するまでの期間も短く済みます。
補助金の申請用に事業計画をまとめていると、予算を回収するための
まとめ
ホテルの建築費についてお伝えしました。
コリドールは事業者様向けの店舗・事務所の内装デザインに長年取り組んでいます。お客様のご希望を伺い、投資に対する回収期間のシミュレーション立案のお手伝いやコスト削減のご提案をしながら、オーダーに応えられる内装デザインが得意です。
静岡および関東・中部・関西圏のホテル・旅館の内装デザインのご相談を承っています。費用を抑えながら理想的なホテルの内装デザインを実現したい方はお気軽にお問い合せください。